農地の売却方法や流れ、注意点などについて解説します
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農地は通常の土地とは異なる特徴を持った、非常に特殊な物件です。
よって、独自の売却方法や流れ、注意点などを押さえておかなければ、後々トラブルに巻き込まれる可能性もあるため、注意しましょう。
ここからは、所有している農地を手放したい方に向けて、売却に関するさまざまなことを解説します。
農地の売却方法について
「農業を引退したから売却したい」「相続で農地を取得したものの、使い道がないから売却したい」という方は、意外と多いです。
そのような考えを持つ方は、以下の2つから売却方法を選ぶことになります。
・現況のまま売却する
・地目変更をした後に売却する
それぞれの売却方法を詳しく見てみましょう。
現況のまま売却する
現況のまま農地を売る場合は、買い手が限定されます。
具体的にいうと、農家あるいは農業生産法人にしか売却できません。
これは、農地法で定められているルールであり、より細かくいうと、以下の条件をクリアしている農家、農業生産法人にのみ、売却が許可されます。
・農地取得後、50a以上の面積を所有している
・所有する農地すべてで農業を行っている
・継続的に農業をしている
・農業のための機材、人材が揃っている
つまり、農家や農業生産法人であっても、たまにしか農業をしない方や、所有する農地の中に遊休地がある方などは、買い手として認められないということです。
現況のままの売却は、他の方法と比べてシンプルであるため、できればこの方法で売りたいという方もいるでしょう。
しかし、現況のままでは買い手がなかなか見つからず、その間に価値が落ちることも考えられるため、今すぐにでも手放したい方には向いていないと言えます。
地目変更をした後に売却する
農地を現況のまま売る場合は、なかなか買い手が見つからないという話をしました。
一方、土地の地目を農地から宅地に変更すれば、一気にターゲットの幅は広がります。
ただ、農地の中には、地目を変えられないものも存在するため、注意しましょう。
農地には、主に以下の5種類があります。
・農用地区域内農地
・甲種農地
・第1種農地
・第2種農地
・第3種農地
上記のうち、農用地区域内農地、甲種農地、第1種農地は、地目を宅地に変えることができません。
つまり、該当する場合、基本的には現況のまま売り手を探すしかないということです。
農地売却の流れ
先ほど、2つの農地売却方法について解説しましたが、次はこれらの具体的な流れを見ていきます。
現況のまま売る場合の流れ
現況のまま売る場合は、主に以下の流れで進めます。
①買い手を探す
②売買契約を結ぶ
③売買許可の申請をする
④所有権移転請求権の仮登記をする
⑤許可後、本登記と代金の精算をする
上記の売買許可申請は、農業委員会に対して行います。
また、申請から許可までにはある程度時間を要するため、申請以降の手続きに関しては、並行するイメージです。
ちなみに、売主が自身で条件をクリアした買い手を探すのは、コネクションがない限りなかなか難しいです。
よって、農地に強い不動産会社に依頼し、買い手を探してもらいましょう。
経験豊富な不動産会社に仲介を依頼すれば、買い手が見つかった後に、実は条件を満たしていなかったなんてことが起こる心配もありません。
地目変更をした後に売る場合の流れ
地目を宅地に切り替えてから売る場合の一般的な流れは、以下の通りです。
①買い手を探す
②売買契約を結ぶ
③農業委員会に相談する
④農業委員会もしくは都道府県知事に転用許可の申請をする
⑤所有権移転請求権の仮登記をする
⑥許可後、本登記と代金の精算をする
地目を変えてから農地を売却する場合、先ほどとはまた違った許可申請をしなければいけません。
これが転用許可の申請です。
その後の流れはほとんど変わりませんが、前述の通り地目を変更する場合の方が、買い手はスムーズに見つかりやすくなります。
よって、問題なく転用許可が下りれば、こちらの方がトータルの売却期間は短くなることが予想されます。
もちろん、農地の売却であることには変わりませんので、依頼するのは現況のまま売る場合と同様、農地の売買実績が多い不動産会社にするべきです。
売却価格の相場について
農地の売却価格における相場は、通常の不動産同様、エリアによって大きく異なります。
よって、一概に〇〇円程度と表現することはできません。
ただ、畑と田でいえば、田の方が高額になる傾向は強いです。
また、純農業地域と都市的農業地域での格差は、さらに大きいものになると予想されます。
ちなみに、農地全体の価格としては、農業従事者の高齢化などもあり、近年下落傾向にあります。
まとめ
ここまで、農業の売却に関するさまざまなことを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
農業の売却時には、買い手探しや各種許可申請などの手続きに苦戦する方も多いですが、あらかじめポイントを押さえておけば、案外スムーズに進む可能性があります。
また、農地や特殊物件に強い不動産会社がそこに加われば、好条件での売却も決して夢ではありません。
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