空き家の“不法占拠”を防ぐ方法について解説します
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空き家を所有する方の中には、その物件が遠隔地にあるなどの理由で、なかなか適切な管理ができていないという方もいるでしょう。
また、長い間空き家を放置していると、第三者が無断で使用するいわゆる“不法占拠”が発生するおそれがあります。
今回は、空き家の不法占拠を防ぐ方法を中心に解説しましょう。
不法占拠はれっきとした犯罪
空き家に勝手に住む不法占拠は、言うまでもなくれっきとした犯罪です。
具体的には、“住居侵入罪”および“不動産侵奪罪”に該当します。
住居侵入罪は、正当な理由なく他人の住居などに侵入する犯罪で、法定刑としては3年以下の懲役または10万円以下の罰金が設けられています。
ちなみに、“正当な理由なく”とは、所有者や管理者などの意思に反することを指しています。
また、不動産侵奪罪は、他人の不動産を奪い占有する犯罪で、10年以下の懲役を科せられます。
不法占拠がもたらす所有者へのデメリット
空き家を不法占拠されると、当然所有者は自由に物件を使用できません。
また、犯罪者やホームレスが住みつくことで、犯罪の温床となったり、ゴミが家屋内に散乱したりする可能性もあります。
もちろん、これらは所有者だけでなく、近隣住民におけるデメリットでもあります。
空き家の不法占拠を防ぐ方法
空き家の不法占拠を防ぐためには、まず定期的な見回りと管理を徹底しましょう。
たとえ遠隔地にあったとしても、月に1回は様子を見に来ることをおすすめします。
また、窓や勝手口、玄関の鍵をすべて閉めることも忘れてはいけません。
過去には、雨風を防ぐために空き家の軒下に入った男性が、窓の鍵が開いていることに気づき、1年以上も不法占拠したという事例もあります。
もし、空き家までの距離や都合により、なかなか見回りに来られないという場合は、管理代行業者への依頼も検討しましょう。
エリアやサービス内容、見回りの頻度にもよりますが、依頼費用は月4,000~10,000円程度です。
近年は、全国的に空き家の数が増加しているため、このようなサービスを提供する業者も増えています。
さまざまな業者のサービス内容や費用を比較し、もっとも条件の良いところに依頼しましょう。
早めに売却するのも1つの手
今後特に利用する予定がないという場合は、早めに空き家を売却することでも、不法占拠への対策が取れます。
ただ、老朽化がひどかったり、再建築不可物件になっていたりする空き家は、通常通りの不動産売却をしてもなかなか買い手が付きません。
そのような場合は、“空き家バンク”の活用を検討しましょう。
空き家バンクは、各自治体が空き家の賃貸、売却を希望する所有者から提供された情報を集約し、これから空き家を利用、活用したい方に紹介する制度です。
ここにもう利用する予定がない空き家の情報を登録すれば、引き取り手が見つかるかもしれません。
不法占拠を発見したときの対処法
数年に1回程度しか空き家に訪れない場合、すでに不法占拠の被害に遭っている可能性があります。
また、久しぶりに空き家を訪れたとき、不法占拠者が生活しているのを発見してしまうことも考えられます。
もし、空き家の所有者自身が不法占拠を発見した場合、その場で交渉してはいけません。
空き家に無断で住みつくような人物は、危険人物である可能性が高いからです。
この場合は、まず警察や弁護士に相談しましょう。
不法占拠が発生しやすい空き家の特徴
以下のような特徴を持つ空き家は、犯罪者やホームレスによる不法占拠が発生しやすいため、重い当たる節がある方は改善してください。
・明らかに居住者がいないことがわかる
・草木が伸びきっている
・主要箇所の破損が目立つ
明らかに居住者がいないことがわかる
外観を見ただけで、明らかに居住者がいないことがわかる空き家は、不法占拠者のターゲットになりやすいです。
例えば、ポストに郵便物が溜まり、溢れ返っているような状態だと、すぐに空き家だとばれてしまいます。
また、常にカーテンや雨戸が閉まりっぱなしになっている場合も、頻繁に近くを通る人物には、空き家だと気づかれやすくなるでしょう。
草木が伸びきっている
庭の草木が伸びきっていると、外部からの目隠しになり、不法占拠が発生しやすいです。
また、このような空き家は、たとえしっかり施錠されていたとしても、時間をかけて開錠できるため、犯罪者やホームレスなどに狙われやすくなります。
主要箇所の破損が目立つ
玄関ドアや雨戸が外れていたり、外壁が剥がれ落ちたりしていたりと、主要箇所の破損が目立つ物件も、空き家だと判断されやすく、不法占拠のターゲットになってしまいます。
これは、生活において破損していたら困る主要な箇所が、一向に修繕されていないことが理由です。
まとめ
ここまで、空き家の不法占拠を防ぐ方法を中心に解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
空き家の放置は、時に近隣住民への被害や、重大な犯罪の発生に繋がります。
よって、所有者の資産だからといって、管理を怠ってはいけません。
管理が難しい場合は、早急に活用や売却、管理代行の依頼といった次の段階に進みましょう。
再建築不可物件や市街化調整区域についてのご相談は、日翔レジデンシャル株式会社にご相談下さい。
親身になって対応させて頂きます。