TOPコラム使用していない“別荘”の売却が難しい理由について

使用していない“別荘”の売却が難しい理由について

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親から不動産を相続した方の中には、一般的な居住用物件だけでなく、“別荘”を相続したという方もいるでしょう。
また、“自宅から遠い”などの理由により、受け継いだ別荘をほとんど使用していないという方もいるかもしれませんが、実はこちらの売却はなかなか難しいです。
今回はその理由を中心に解説しましょう。

別荘の定義について

居住しているメインの住宅とは別に、もう1つ不動産を所有していれば、そちらはすべて別荘に該当すると思っている方もいるかもしれません。
しかし、実はこの認識は間違いです。
別荘は、日常生活には使用しない“保養”を目的とした住宅を指しています。
保養とは、心身を休ませることをいい、“生活”とはまったく異なる意味を持っています。
つまり、メインの住宅の他に持っている不動産で、なおかつ心身を休ませる場所として保有しているもののみが、別荘に該当するということです。
ちなみに、居住しているメインの住宅とは別に、定期的に日常生活(月1回以上)を送る不動産は“セカンドハウス”と呼ばれます。
これらを混同している方は非常に多いため、この機会に覚えておきましょう。

使用していない別荘はなぜ売却が難しいのか?

親から相続され、その後ほとんど使用していない別荘は、なかなか買い手がつかないことが予想されます。
その理由としては、主に以下のことが挙げられます。

・築年数が古いケースが多い
・立地が不便
・ランニングコストがかかりやすい

築年数が古いケースが多い

親から相続した別荘の多くは、かなりの築年数が経過しています。
なぜなら、現存している別荘が多く建てられたのは、1970~80年代後半であるからです。
つまり、それくらいの時期に建築された別荘は、現在すでに築40年以上経過している可能性もあるということです。
また、普段ほとんど使用していない場合、老朽化にも拍車がかかり、売却時点ではとても人が使用できるような状況ではないことも考えられます。

立地が不便

別荘の多くは、“別荘地”と呼ばれるエリアに建築されます。
別荘地は、避暑地や避寒地として土地開発されたエリアであり、一般的に都市部からは距離があるケースが多いです。
つまり、決して便利な立地ではないということです。
こちらも、売却が難しい理由の1つと言えます。

ランニングコストがかかりやすい

一般的な居住用の物件と比べて、別荘はランニングコストがかかりやすい傾向にあります。
代表的なところでいえば、すべての不動産に課税される“固定資産税”が挙げられます。
居住用不動産の場合は固定資産税の軽減措置が受けられますが、前述の通り別荘はあくまで保養目的の物件であるため、こちらの措置の対象にはなりません。
また、そもそも別荘は面積が広いケースが多いため、固定資産税の金額はかなり高額になります。
その他、以下のようなランニングコストがかかってしまうことも、使用していない別荘の売却が難しい1つの要因と言えるでしょう。

・共益費
・管理費
・火災保険料
・水道光熱費 など

別荘をうまく売却する方法について

使用していない別荘をできるだけスムーズに売却したいという方は、以下のポイントを押さえておきましょう。

・ターゲットを想定して売却活動をする
・更地での売却を検討する
・買い取りを検討する

ターゲットを想定して売却活動をする

別荘を売却する際は、まずターゲットがどのような方かを想定しなければいけません。
ターゲットとなるのは、主に資金的な余裕があり、できる限りキレイかつ優雅な別荘を手に入れたいと考える方です。
よって、たとえ規模の大きい別荘を所有していても、使用しておらず手入れもされていない場合は、なかなか売却できません。
まずは、別荘として見映えの良いものにするためのリフォーム、清掃などを徹底するところから始めましょう。
ただし、リフォームにコストを費やしすぎると、売却してもその費用が回収できない可能性があるため、注意してください。

更地での売却を検討する

建物の築年数やデザインなどが問題で、なかなか買い手がつかないという場合は、更地での売却も検討すべきでしょう。
こうすることで、別荘がほしい方だけでなく、地方で土地活用を行いたい方もターゲットに含めることができます。
また、別荘は元々固定資産税の軽減措置が適用されないため、更地にしたからといって、極端に課税額が跳ね上がる心配もありません。

買い取りを検討する

不動産会社に仲介を依頼しているにも関わらず、一向に売れる見込みがないという場合は、思い切って専門業者に買い取りを依頼しましょう。
買い取り業者は、購入後の土地活用のノウハウが豊富であるため、条件が良くない別荘であっても、十分買い取ってもらえる可能性があります。

まとめ

ここまで、使用していない別荘の売却について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
別荘は、限られた方しか購入できない贅沢品ですが、使用しない場合は一気に扱いが面倒になります。
また、長期間買い手がつかず、“負動産”化してしまう可能性もあるため、相続した方はそのまま放置せず、早めに処分に向けて行動しましょう。
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