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セットバックが必要な物件を購入する際のポイント

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接道の幅が4mに満たない物件は、セットバックをしなければ接道義務を果たせず、建物を建てることもできません。
では、これから購入しようとする物件が、上記のようなセットバックを必要とする物件である場合、どのようなポイントを押さえておけば良いのでしょうか?
詳しく解説しましょう。

セットバックが必要な物件を購入しても良いケース

セットバックを行う場合、当然物件の取得費用と併せて、土地を後退させるための費用も負担する必要があります。
具体的には、以下のような費用が必要になります。

・土地測量費
・宅地、道路用地の分筆登記費
・道路用地部分の仮整備費 など

よって、買主の負担は通常の不動産を購入する場合よりも大きくなります。
ただ、以下のようなケースでは、セットバックが必要な物件を購入しても良いでしょう。

・物件価格が格安の場合
・綿密な建築計画を立てている場合
・今後建て替えや売却等をする予定がない場合

物件価格が格安の場合

セットバックが必要な物件は、得てして通常の物件よりも価格が安いケースが多いです。
なぜなら、後退させた部分は、ほとんど価値がないと判断されることが多いからです。
ただ、セットバック後の有効な土地面積で計算しても、相場と比べて坪単価が格安な物件は、購入を検討しても良いでしょう。
格安の物件であれば、セットバックにかかる費用を考慮しても、なおお得に購入できる可能性があります。

綿密な建築計画を立てている場合

セットバックが必要な物件における最大の欠点は、やはり建物を建築する際、有効な土地面積が狭くなってしまうところです。
よって、セットバックしなければいけないことを知らずに物件を購入すると、元々建築したかった建物は建てられず、再設計をしなければいけないことも考えられます。
ただ、物件購入前から、後退後に利用可能な敷地面積を細かく把握し、それに見合った建物の建築計画を立てておけば、大きな問題は発生しません。
つまり、狭くなった敷地で建てられる建物で満足できるという場合は、その物件を購入しても良いということです。

今後建て替えや売却等をする予定がない場合

みなし道路に面している物件の場合、すでに建築されている物件については、そのまま問題なく利用できます。
また、このような物件を購入する場合も、もちろんそのまま居住用物件として使うことができ、敷地を後退させる必要もありません。
よって、今後既存の建物を建て替える予定がない方は、購入を検討しても良いでしょう。
ちなみに、セットバックが必要な物件は、手続きや費用の問題から、売却時に買い手から敬遠されがちですが、売却するつもりがなければ、これも大きな問題ではありません。

セットバックが必要な物件を購入する前に知っておくべきコト

セットバックが必要な物件は、前述の通り接道の幅が狭く、防災機能や利便性には優れていません。
また、工事費用がかかること、利用可能な敷地面積が狭くなることに関しても、先ほど解説した通りです。
その他、購入前に知っておくべきこととしては、以下が挙げられます。

・セットバック費用の助成金について
・セットバック部分の駐車場利用について

セットバック費用の助成金について

自治体によっては、セットバック費用の助成金制度を設けていることもあります。
例えば、特定の自治体に寄付をした方を対象に、セットバック費用を数十万円程度まで助成するといった制度です。
これらの制度を活用すれば、ほぼ費用負担なくセットバックを完了させられる可能性もあるため、あらかじめ管轄の自治体に制度が存在するかをチェックしておきましょう。

セットバック部分の駐車場利用について

セットバックを行っても、所有者はその部分の所有権を失うわけではありません。
ただ、扱いとしては“敷地”から“道路”に代わるため、当然利用上の制限は増加します。
例えば、後退させた部分には、フェンスや柵、物置なども設置できません。
また、何も設置しない場合でも、駐車場として利用することは不可能です。
よって、建物を建築し、なおかつ駐車場利用も考えているのであれば、セットバック後の有効面積に収まるよう、考慮して建築計画を立てなければいけません。

セットバックが必要な物件の購入後にすべき手続き

セットバックが必要な物件を購入し、実際セットバックを完了させた後は、その部分の利用が制限されます。
その反面、セットバック部分の固定資産税、都市計画税に関しては、一切負担する必要がなくなります。
ただ、気を付けなければいけないのは、自動的に税金が免除されるわけではないというところです。
忘れないうちに、管轄の自治体の役所などに赴き、非課税の申請手続きを行いましょう。

まとめ

ここまで、セットバックが必要な物件を購入する方に向けて、事前に押さえておきたいポイントをいくつか解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
マイナスなイメージが強い要セットバックの物件ですが、決して購入してはいけないわけではありません。
計画さえキッチリと立てておけば、十分購入物件の選択肢に入ってきます。
再建築不可物件や市街化調整区域についてのご相談は、日翔レジデンシャル株式会社にご相談下さい。
親身になって対応させて頂きます。